『蝉しぐれ』感想

長編の原作をよく2時間でうまく纏めたなあと。全体的になかなか端正な良い映画だと思います。演出部分でツッコミどころもありますが美しい風景と様々な場面での人物たちの距離感のよさが印象的です。主役の子役二人と成人になってから二人の雰囲気がちょっと違いすぎるのが難点。子役時代、成人時代のどちらのパートも非常に良いのに子役パートと成人パートの間をリンクさせるのに最初ちょっと戸惑ってしまいました。肝心目当ての染五郎@文四郎は無骨さは出てなかったけど想像していたよりかなり良かったですね。あんな繊細な良い表情ができるんだと感心してしまった。里村を恫喝するシーン、そしてなんといってもラスト10分が絶品ですわ。「ふく」、この台詞の時のあのなんともいえない表情。このシーンは文四郎とふくの切ない関係が浄化されていくかのようでしたわ。ここの部分、最初は無かった台詞らしいけど図らずもうまく子供時代とリンクしてるのよね。ということでツッコミどころ含め詳細感想を後日書きたい。