新橋演舞場『歌舞伎俳優との夕べ -市川染五郎-』

新橋演舞場染五郎さんのトークショーを聴きに行きました。珍しく知り合いが誰もいなくてチト寂しく。でもトークショーは楽して笑いっぱなし。染ちゃん、かなり自由だった(笑)

トークショーの前に長唄連中で勧進帳の演奏。出だしと滝流し付きの延年の舞。近くで聴くと迫力。やっぱり名曲だわ〜。

葛西聖司氏の司会で染五郎さんのトークショー。かなり遠慮なく突っ込んで聞いてくれるのでそれに合わせて染ちゃんもどんどん自由化(笑)やはりまずは勧進帳の話から。以下、覚えているのを箇条書きに。

  • 前月の勧進帳はまだ余韻に浸るとかではなく、自分にとっての意味を感じるのはもっと先の事になるのかなと。毎日、父と叔父からダメ出しがあったらしい(笑)勧進帳は二人の審査員に囲まれて演じてるような感じだった。演じていくうちに父と叔父の存在がどんどん大きくなっていって大変だった。僕の弁慶はいかに高麗屋の弁慶を体現するかだけ。自分らしくとか自分の弁慶を作ることはしない。継いでいくための弁慶。父と叔父の弁慶が好きですから。そして祖父、曾祖父の弁慶があって、その弁慶を体現していきたい。滝流しをつけての弁慶が次の目標。
  • 「600回目標にしてほしい」と客席から声が上がった時、僕の弁慶は回数を重ねることはないと思いますと。弁慶は豪快に演じますが非常に緻密で繊細な動きも必要なんです。出たら出ずっぱりでトラブルのフォローは全部後見です。なのでとても大変。廣太郎くんに今回やってもらったのですが今後も彼にお願いします。
  • 今年は古典をどれだけ自分の身体で体現していくかという年だった。伊達十、勧進帳と夢を叶えられましたが、実現するのが遅くて…観ていただきたかった方々に観ていただけなかったのがとても後悔。
  • 伊達十は十数年前から猿翁のおじさまに「やりなさい」と言っていただき、演じるために真女形もやってきた。けど一時期諦めた時期があり、その時から真女形はやらなくなったけど昨年また猿翁のおじさまに薦められて演じることになりました。伊達十の再演は嬉しい。昨日は博多で記者会見があったのですがちょうど猿翁のおじさまの誕生日。縁を感じます。博多座、絶対成功すると思う。でも澤瀉屋のものなのでいずれ猿之助くんに歌舞伎座でやってもらいたい。
  • 博多座の伊達十、色々と考えてるんです。早変わりのため吹き替えの人が沢山いるんですが僕じゃなくその人にやってもらって。僕は客席にいて良いタイミングで大向うを掛ける。掛けどころを一番わかってるからね <マジメな顔して言う染ww
  • 二月歌舞伎座の筆幸に金太郎がお霜で出ます。僕も小さい時にお霜をやりましたがその時に姉のお幸が福助の兄さん。二月は児太郎くんと金太郎で。親子二代で同じ役を演じるんです。
  • 演舞場での思い出。初座頭公演は「たぬき御殿」。最年少座頭更新したのにたか子に更新された(笑)踊りはひいふうみいでカウントしてしまい、本番で踊るシーンをカットされた。歌もなぜか短くなったw
  • 演舞場で劇団☆新感線を上演でき、お正月公演までやれたのは大きいこと。でも年越しカウントダウンはもうやらなくていいです。<どうやらかなり大変だった模様w
  • 来年は伊達十の経験を踏まえて新しいことをいくつかやります。そういう年になると思う。
  • 「ぼくって結構すごいんですよ?」<かなりゆるーくなってからの名言ww