国立大劇場『十月歌舞伎公演『双蝶々曲輪日記』』2回目観劇

国立大劇場『十月歌舞伎公演『双蝶々曲輪日記』』の2回目の観劇。やっぱり通してみると『引窓』がより深く理解できて良い。通しても場として『引窓』が家族それぞれの想いがしっかり伝わってきて一番良かった。今回の流れは濡髪中心でのまとめだけど与兵衛や与五郎ヴァージョンもやろうと思えばできるんだろうな。
そーいえば染ちゃんは、南与兵衛は今後ずっと播磨屋の型でいくのかな?今回は「新清水の場」をつけたし武張った高麗屋型より播磨屋型のほうが廓で遊び身を持ち崩してた風情があるから選択したんだと思うけど。個人的には染ちゃんの芸質考えたら播磨屋のほうが似合うと思う。染ちゃんの南与兵衛は2008年に初役で演じて今回で4回目。男気溢れるヒーロー的な高麗屋型で2回、優しくて愛嬌のある播磨屋型で2回。さて次はどちらで演じるか。いずれ、もしかしたらmixさせてくる可能性もなくはないかも。
芝雀さんは先月の『法界坊』のおくみより今月のお役のほうが断然似合うと思う。お早はまだそれほど演じていらっしゃらないけどすでに当たり役じゃないかと。可愛らしくて色んなお役のなかでも一番お父様の雀右衛門丈を思い浮かべるお役だったりします。 芝雀さんのお早は前回は2006年。この時にこのお役で芸格があがったかもと思わせたのよね。南与兵衛は吉右衛門さんで似合いの夫婦ぶりだった。吉右衛門さんはこれ以来、南与兵衛は通常興行ではやっていないんですね。