NHK BSプレミアム『ドキュメンタリー「市川染五郎 奈落からの挑戦」』

NHKが染ちゃんを今年になって数か月追いかけたドキュメンタリー。話の中心は昨年の落下事故からの復帰の模様と7月と9月歌舞伎座での役について。私には切り口が一方的すぎると思ったし、そこの切り口を目指して染ちゃんの一面しか見せなくて不満。
役作りに関しても染ちゃんは歌舞伎に関しては出来がよくても反省しかしない人なのにそればっか取り上げるし。なんか違う〜〜。七月の伊右衛門の劇評だって一紙のぞいて褒めてたし。なぜそこだけしか取り上げない?
しかも幸四郎さんのインタビューはいらなかった。もう独立して家族もいるのに、なぜそこで父?師匠としての幸四郎さんを写す分には構わないけど。
大怪我をした染ちゃんを支えてきた家族のシーンには本当に大変だったんだね、という想いが。お父さんを気遣うお子ちゃまたちにはとってもほのぼのした。
なんだか、ドキュメンタリーとしていい作品とは思えなかった。プロデューサーに対象物への愛情がみえないわ、インタビューの内容が??だったり。相性悪かったんでしょうかね?染ちゃんの真面目一方ではない一面が垣間見られたはずのトークショーや創作舞踊の時も映してたのに(NHKが入ってたのには居合わせたので知っている)、まるっきり映さずカットだし。ファンしてはかなりお茶目だったりおたくな不思議ちゃんな染ちゃんも映して欲しかったよ。
にしても、まだまだ怪我の後遺症には悩んでいたんですね。痛みを感じながら舞台に立っていたとは。完治宣言があったとはいえ事故前のようにはまだいかないだろうな…。十月の舞踊の大曲『鏡獅子』で、どこまでやれるかだな。