赤坂区民センターホール『港区文化講演会「市川染五郎の歌舞伎であそぼ」』

港区文化講演会『市川染五郎の歌舞伎であそぼ』が抽選に当たったので友人を誘って行ってきました。区の担当者に言わせると5倍の倍率だったそうで文化講演会始まって以来の激戦だったとか。当選したのがラッキーだった模様。会場は400名くらいのこじんまりとしたホールでした。
予想以上にとっても楽しい講演会でした。第一部は染ちゃんの長唄舞踊『流星』の素踊り。これがとっても楽しくって〜〜。染ちゃんの踊り、やっぱ好きだわ〜〜。流れ星が雷夫婦の痴話げんかをご注進する、という内容で、雷夫婦&雷夫婦の子供&老婆の四役をお面で演じ分けながら踊る舞踊でした。『奴道成寺』で鍛えられたか、男・女・子供・老婆の踊り分けがとっても上手くて、舞踊の面白さもあってかなり楽しませてくれました。
第二部は服部真湖さん司会で、歌舞伎研究家の鈴木英一先生(常盤津和英太夫)と染ちゃんのトーク。こちらも楽しかったです。覚えてるのをいくつか。
舞踊のお面の付け替えは後見との息が合わないと、という話から、お面を間違えて渡されたりはしないの?間違ったら大変ですよね、と質問され、「実は奴道成寺の時、1回後見さんが間違ったことがあって…お面に触れて違うとわかったので一節だけそれで踊ってそこから修正して踊った」そうな。
染ちゃん自身が小さい時に歌舞伎が遊びのひとつだったので、そういう環境にない子たちにも「遊び」のひとつとして歌舞伎を身近に感じて欲しくて「歌舞伎たいそう」を作った。「僕はあくまでも体操のお兄さん(おじさんじゃないからね〜のニュアンス)のつもりですから」だそう。
染ちゃん、小さい時の歌舞伎ごっこは姉と妹を巻き込んで。姉と妹に演技指南したのは僕!だそうで(笑)本水使う立ち回りはお風呂場のシャワーの下でやったとか母親の口紅で隈取描いてポッキリ折ってしまい、全然くっついてくれなくてそのまま蓋閉めちゃったとか(笑)
地方公演は観客の反応とか違います?との質問に「博多は情が厚く暖かい、大阪は面白い、面白くないと反応がストレート」
新作や復活もこれからも手掛けたいとの話の流れで、具体的に話せるのは?と質問され、チャップリンの『街の灯』原案の歌舞伎を復活させたい、これは強く願っている、と今回も話に出していました。これはチャップリンの遺族にも了承を得てるし。染ちゃんの念願のひとつですものね。いつか拝見できるといいな。
最後、皆で「高麗屋!」の大向こうをやりました。染ちゃんいわく「こ〜〜らいや〜〜」は間が抜けて野暮なので(笑)、「こう」は小さく「らいや!」のほうに意識してスパッと。ということでした。「大向こうは歌舞伎特有のもので掛けてくれると盛り上がる」と言ってました。大向こうは歌舞伎に不可欠、という認識ぽかった。大向こう指南は司会者さんからの希望だったんですが、染ちゃんと鈴木さん、結構ボケボケで漫才のようになっていました(笑)。染ちゃんの大向こう指南は「掛けられるほうなので見よう見まね」と言いつつお上手でした(^^)にしても、「高麗屋!」って2回も叫べたのは嬉しかったな〜。普段は絶対やれないし。