歌舞伎座『白鸚二十七回忌追善 二月大歌舞伎 夜の部』観劇

初心者を連れての観劇です。完全初心者さんにはイヤホンガイドは奨めたほうが良いみたいですね。特に今月は時代物狂言が並んだし、そうなると言葉や約束事がわからないと楽しめなかったりしますし。あと絵面を楽しむのもやはりある程度「知っている」ことが前提なんだなと。初心者に学ぶことがありました。


『対面』では富十郎さんの工藤の大きさが見事だった。白の衣装も素敵。五郎の三津五郎さんの洗練された体の置き方には惚れ惚れ。歌昇さんの朝比奈はピッタリで持ち役になるだろうなと。大磯の虎の芝雀さんはとにかく可愛いし、格が上がったと思わせる存在感。『口上』ほのぼのしてて良かった。『熊谷陣屋』、役者が揃って大芝居だった。幸四郎さんがいつもよりたっぷり感は押さえ気味だったかな。息子を犠牲にせざるおえなかった切なさを前に出す熊谷でした。相模の芝翫さん、いつも以上に「母」だった。軍次の松緑くんがかなり良い出来。


『春興鏡獅子』は思っていた以上に良かった。なんというか清涼感のある舞台でした。まだ硬さもありまろやかな風情もまだまだではあるが今後持ち役に出来るだけの出来。染五郎さんの弥生はとっても可愛らしかったし清楚な色気もあった(贔屓目?)。とても品良く丁寧にしっかり踊って楷書の踊り。肩と胸の使い方が良くなっていたのと、膝もしっかり深く折り、ひとつひとつの姿形が綺麗でした。手捌きのほうは柔らかく美しい、これは強み。染ちゃんのことだからもう少し伸びやかに踊れるだろうとは思うけど上々の出来。獅子のほうは勇壮にキレよく。スピード感のほうを大事にしたのか、若々しいちょっと未熟さのある獅子。獅子と胡蝶の舞のほんわかした空気感がとってもよかった。戯れているというのはクッキリ。胡蝶の二人、梅丸くん、錦政くんが可愛らしいだけでなく踊りも達者。踊りの質が違うけどお互いしっかり確認しながら踊り、かなり息が合っていました。詳細感想後日。