『朧の森に棲む鬼』前楽そして大千穐楽

『朧の森に棲む鬼』が25日で大千穐楽を迎えました。まずは2ケ月66回公演という長い公演をやりきった出演者およびスタッフの皆様、お疲れ様でした。本当に素敵な芝居をありがとうございました。千穐楽、染ちゃんが「2ケ月は長かったです。観に来てくださった大勢の皆さんのおかげでやりきることが出来ました」とコメントしていました。今回の舞台は確かに相当な体力と精神力が必要だっただろうと思います。それをどんどん進化、深化させて行った出演者の皆さんには頭が下がります。本当にご苦労様でした。


ということで、24日〜25日に大阪へ『朧の森に棲む鬼』観劇遠征してきました。東京公演でもかなりハマり込んでいたのですが大阪では完全に魂を持っていかれました…。自分でも想定外の出来事で正直混乱ぎみ。いったいこの芝居のどこが私の琴線に触れるのか、まだよくわかっていないのですが…。あまりの切なさに胸が潰れてしまいそうでした。二幕目以降は息もまともに出来ない有様(苦笑)。ラストなんて観てるのが辛すぎて、でも観たいという矛盾した気持ちが渦巻いてました。思い出すだけでも胸が痛いです。いつもだったらすぐに再演を、と思うのですが今回ばかりは今のところそういう気分になりません。落ち着いたらまた観たいと思うに違いないのですが…。


前楽、大千穐楽ともやはりラストという思いがあるのか役者さんたちにかなり熱が入っていたように思います。迫力が本当に凄かった。『朧の森に棲む鬼』という芝居に圧倒させられたのか、役者さんたちの熱の帯びように圧倒させられたのか、もうよくわからない状況です。ただ私のなかでは市川染五郎とか阿部サダヲを観ているという感じではなくライとキンタを観ていたという感じがします。


本筋以外の日ネタの部分もいつもよりはじけていましたがぐだぐたにならずにすぐに締めていくのは本当にさすが。私的に超ツボったのが一幕目のライとキンタとツナ三人でのシーン。ライがヤスマサ将軍からのツナへ宛てた手紙を読むくだり。「飛ばさんかい!」とツナにキンタが殴られてしまい、キンタがライに殴られたほっぺを見せて「ほらあ、飛ばさないからこうなる」と訴えるところ。前楽ではライがキンタの頭をナデナデして慰めていて、二人が超可愛かったんですが、千穐楽ではなんとライ@染ちゃんがキンタのことをごめんね、よしよしって感じでハグした〜〜〜〜。キンタ@サダヲちゃん、素でビックリして照れてた。で、「ありがとうございまっす」とか叫んでた。その様子をツナ@秋山さんはうんうんとうなずいてニコニコしてたみたいです、はい。その後、ライがツナのほうを向いて「飛ばします!」ときっぱり言って続けていました。なぜかここ大拍手でした(笑)


一幕目のライとキンタの仲良しぶりがかなりパワーアップしてしました。ライはすごーく優しい目でキンタを見るし、キンタはワンコのようにキラキラとライを見つめてる。だからこそ二幕目がすごく切ないんだよなあ。


それにしても役者の力量というのはこういう芝居の遊びの部分でもかなり出ますよね。全体のバランスを考えながら遊ぶのは難しいんじゃないかと思います。そういう部分で今回やりすぎな人がいて私のなかでやっぱウザい役者認定された某村木という人もいました…。あれはひどすぎでしょう。