御園座『陽春大歌舞伎』

22、23日はネットミステリ者のイベントMYSCON7な日程でしたが私は名古屋、御園座へ観劇遠征をしてきました。自分の趣味の比重がかなり観劇にシフトしてるなあと思う日々でございます。最終的にどこかで「趣味・読書」に戻るのも予感してますが今はこれでいいかなと。


という事で、今回は染友(染五郎ふぁん仲間のことです)と一緒に観劇遠征です。「染ちゃんが染さまで染なのよ」な話題中心で盛り上がりました。でも会話のなかでの一番のヒットは「松竹・永山会長にファンレターを出してみる?」でした(笑)でもファンレターを装った、ようするに座組みのこととか座組みのこととかの要望書だったりするんですけどね。固定しすぎな座組みのこととか、幸・吉とか吉・勘とか染・海老とか玉・海老とか染・菊とか…あれとこれとあれと。それ以外にも話題は色々と広がり海外行きたい病を発症しそうになりました。金ないちゅーねん、と自分ツッコミを入れてみたりしました。その前に語学もなっ。


2日目には日帰り遠征の染友とも合流し、染話三昧な2日間を過ごしました。来月以降も財布が苦しい日々を送ることになりそうな私たちでした。あっ、無事ストラップを装着できました〜<染友へ。


さて、肝心の観劇ですが、1日目はまずは舞台全体を俯瞰してみたかったので2等席を取りました。2階7列目センターでしたが花道も七三は確実に見え、歌舞伎座2階席より断然観やすかったです。ほぼストレスなし。2日目は奮発して特別席。2列目センターで、前すぎかな?と危惧していたのですが、舞台自体が歌舞伎座より低めに設置されているので首も痛くならず、脇や奥が見切れることもほとんどなくかなりの良席。歌舞伎座で4列目〜5列目あたりのイメージかな。御園座は趣がまったくない劇場でしたが見やすさでいえばかなり良い劇場でした。


芝居に関しては詳細感想は別途書きますが少しだけ。『梶原平三誉石切』の染五郎@梶原平三が色んな部分で若い梶原でしたが思った以上に素敵でした。きちっと基本の部分を丁寧にしっかり演じつつ、染五郎ならではという部分もあり、とても爽やかでやんちゃな可愛らしさがある梶原。幸四郎さんに習ったのだとは思いますが所々、吉右衛門さんを彷彿させました。染友たちは仁左衛門さんにも似ていると言っていました。演じ方は全然違うし、私は幸四郎さん×吉衛門さんミックスプラスアルファ染個性かなとしか思わなかったのですが、確かに凛と背筋が伸びた立ち姿と品のいい色気が仁左衛門さんとダブるところがあったのかなと思いました。


『本朝廿四孝・狐火』の芝雀@八重垣姫がまさしく赤姫らしいおっとりとした品のよさと芯の強さを見せ、また踊りもかなりの頑張りようで非常に良い出来。琴を入れた常磐津の演奏で、構成もこの一場で独立して見せられるようになっておりほぼ新作といっていい舞踊劇でした。30分ほどの短いものですがとても華やかで見せ場もたっぷりあり、これは今後定番演目になっていけるものだと思う。


勧進帳』では幸四郎さんが力のこもった弁慶をみせる。声がかなり伸びて、台詞回しにも迫力があった。特に延世の舞は絶品。2年前の国立の時よりかなり良い出来であった。がしかし、手馴れた役だけに余裕がありすぎるのか、命懸けという緊張感があまり伝わってこないのが残念だ。染五郎@富樫がまだ対等でない部分も大きいとは思うのだが…。染ちゃんの富樫自体は非常に良い解釈だし、形や動きも良いのだけど。でもまだまだ対等ではないんだよね。それと幸四郎さん弁慶で非常に気になる部分が一箇所ある。義経に労をねぎらわれる場で気が逸れているのでは?思う瞬間が往々にしてあるのだ。毎回じゃないのでその時の気持ちの集中度の違いなんだろうけど。